11月22日のペンギンクラブおしゃべり会で、栄養士の中山先生にお話しいただいた内容をまとめました。
参考にしていただけたら嬉しいです。

このまとめは、ペンギンクラブの世話人「あかね」がまとめたものです。
これについてのご意見、ご質問は、ペンギンクラブの世話人にお願いいたします。
後日、世話人がまとめて栄養士の先生に質問いたします。
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 → PDF‐治療中の食事について

  *~*以下PDFと同じ内容です*~*

2017年11月22日ペンギンクラブ 

  栄養士 山中あゆ美先生
     ~治療中の食事について~


☆三食バランスよくとること
 食事は、主食、主菜、副菜から成る。
   主食-ご飯、麺
   主菜-肉、魚、大豆製品
   副菜-野菜、きのこ
 上記に加えて、果物、乳製品もとる。
   くだもの-適量は片手に乗るくらい、又は握りこぶし大が目安
   乳製品-牛乳コップに1杯、またはヨーグルト小分けパック1個

  ♪塩分を控える時は、「漬物」か「汁物」どちらかにする。
  ♪例えば、外食で「もりそば」(主食)を食べるなら、主菜、副菜をつける。
    主菜-てんぷら、冷やっこ(食べやすい)など
    副菜-ほうれんそうのお浸し、ひじきの煮物など


☆白血球が減少している時の食事
 ・バランス良く、色々なものを少しずつ食べる。
 ・タンパク質をとる。
    タンパク質の必要量は18歳から70歳以上まで同じ。
       男性60g、女性50g
      「歳をとったから肉や魚は食べない」は間違い。
 ・感染症予防のために避けるもの
   ・生もの-刺身、にぎり寿司、ドライフルーツ、
        家庭で作る漬物やヨーグルトなど
   ・納豆も避ける
   ・雑菌が増えそうなもの
   ・加熱した物を食べること


☆血小板が減少している時の食事
 ・血小板を食品でとることはできない。バランス良く食事をとること。
 ・出血しやすいので、硬いもの、熱いものは避けること。
 ・唇を噛まないように気をつける。


☆食欲不振の時の食事
 ・気分の良い時にとる。
 ・一回の食事量を減らして、少しずつとる。
 ・自分に合った味付けや温度のものをとる。
 ・主食を変えてみる。
   ♪例えば、酢飯にする、炊き込みご飯、焼きそばにするなど。
   ♪間食をとる。(おむすびを作っておいてつまむ、など)
   ♪栄養補助食品をとる。(ドリンクタイプ、ゼリータイプなど)
       (亜鉛不足の時もあるので、鉄、亜鉛強化のものなど)
   〔栄養補助食品の例〕
      ・ドリンクタイプ    1本125ml  200kcal(ご飯1杯分のエネルギー)
      ・ゼリータイプ
                 カップゼリー      80kcal 鉄、亜鉛の強化
                 ソフトアガロリー   150kcal タンパク質0g
                 カロリーメイトゼリー 200kcal 200ml
                 ブロッカ        80kcal カルシウム、亜鉛


☆腎臓の機能が低下している時の食事
    1)減塩
    2)タンパク質の適切な制限
    3)適切なエネルギーの確保

 1)減塩
   日本人の塩分量
     平成28年度9.9g 男性10.8g 女性9.2g
     50代、60代の塩分摂取が一番多い。
  ■塩分を3~6gに抑えるのが理想

   ♪例えば
   ・だしは天然素材(かつお節、煮干、昆布など)でとると良い。
    顆粒だしを利用するなら
       ほんだし 塩分相当量42% → 食塩無添加のものにする。
   ・みそ汁1杯200mlは塩分4g → 半分の量にする2g
      (薄めるよりも半分の量にしたほうが満足感がある。)
   ・減塩表示のものだからとたくさんの量を使わないで、今までと同じ量を使う。
   ・関西風の薄い色のうどん汁は、関東のよりも塩分が多いので注意する。
   ・ラーメンはスープを残す。スープの塩分5~6g
    カップ麺1杯に塩分5.1gあるので、スープを残す。
   ・生の魚、肉は塩分が少ないが、
    練り製品(おでん、ハム、ソーセージ、ベーコン)には塩分が多い。

  *栄養成分表示に「ナトリウム」としか書いていなかったら・・・。
   ナトリウムの量を2.54倍すると塩分相当量になる。
    目安としては、ナトリウム400mgが塩分相当量 約1g

 ●減塩のコツ
  ・酸味や香辛料を利用(酢、レモン、ニンニクなど)
  ・香味野菜を利用
  ・かつお節、干し椎茸などのうまみで調理する
  ・しょう油は、減塩しょうゆや土佐酢、ポン酢しょうゆを使う
  ・しょう油やソースは「かける」よりも「つける」
  ・味付けは表面だけにする。中まで染み込ませない。
  ・濃い味の料理は一品だけにして、他のものは薄味にする

 2)タンパク質の適切な制限
   ・タンパク質を制限するには、肉、魚、卵の量を半分にする。
   ・「低タンパク米」などを使用すると良い。

 3)適切なエネルギーの確保
    ご飯はしっかりと食べること。
    油と砂糖を利用することが大切。
     ※油と砂糖でエネルギーをとるとコレステロールが増えてしまうので、
      低たんぱく米を利用し、コレステロールは薬で抑える。

 <質問>エネルギー補給について
   ・ご飯はしっかりと食べる。(抑えるとカロリー不足になる。)
     160gは食べる。
     低タンパク米を使うと良い。
   ・腎臓病の方向けのチョコレートなどを利用する。

 <質問>カリウムを抑える時は(腎機能が低下してくると「カリウム制限」が必要)
   カリウムの多いものは避ける。(生野菜、生果物など)
   カリウムは水に溶けるので、生野菜は、よくすすぐ、水を加えて調理する。
   野菜を炒める時は、細かく切って7分水に晒してから炒める。
   みそ汁などは、野菜を茹でこぼして(茹でた湯を一度捨てて)から作る。
   くだものは生で食べない。缶詰にする。


☆免疫不全の時の食事(造血幹細胞移植の時の食事)
 ・賞味期限、消費期限の切れた食品は食べない。
 ・生食は禁止。
 ・生野菜は次亜塩素酸ナトリウムに浸けてから。
 ・くだものは新鮮で痛んでいないもの、皮を剥けるものにする。
 ・乳製品は殺菌表示のあるものにする。
   ナチュラルチーズとカマンベールチーズ、
           ブルーチーズなどカビのあるものはダメ。
   プロセスチーズは良い。
   牛乳は殺菌してあれば良い。
 ・大豆製品
   味噌は加熱して食べること。
   豆腐は充填豆腐にする。(ピタッとしたパックのもの)
   納豆は納豆菌は加熱しても死滅しないのでダメ。
 ・生の木の実、漬物、梅干、ドライフルーツはダメ。
 ・缶、ペットボトル、ブリックパックは、包装に傷がない、賞味期限内のものにして、
  容器に口をつけずにコップに移して飲み、開封して24時間たったら捨てること。
 ・缶詰、レトルト食品は、包装に傷がない、膨張していないものにする。
 ・アイスクリーム、シャーベット、ゼリー、プリンは、個別包装のものにする。
   カップアイスは内ぶたが有るものにする。
   溶けたものはダメ。
 ・焼き菓子、チョコレートなどは、少量個別包装のものにする。


☆口内炎の時の食事
 ○軟らかい食べ物、喉ごしの良い食べ物にする。
   お粥、卵豆腐、温泉卵、りんごのすりおろしなど
 ×刺激物、しみるものは避ける。
   酢の物、香辛料、パイナップル、メロン、キゥイフルーツなど
 ・味付けを薄くする。(だしを混ぜるなど)
 ・裏ごしする。
 ・小さくする。(細かく切るなど)
 ・軟らかく煮る。
 ・とろみをつける。
 ・人肌程度に温める。(体温に近いようにする)
 ・水分をこまめにとる。
 ・ゆっくりとよく噛んで食べる。

 ■口内炎予防のために
  *口の中を潤った状態にする。
   ・うがいをする。
   ・氷片をなめる。
   ・マウスウォッシュを使う。など
  *就寝前には、軟らかめの歯ブラシで口の中を清潔にする。

                              以上

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