「第15回ペンギンクラブ」ご報告 その2 の続きです
*骨について
症状の一番は骨の痛みです。脆くなっています
骨髄腫細胞は骨の細胞に働き、骨を溶かしていく病気なので骨が痛くなり進行していき
ます。骨芽細胞には、骨を修復するのを抑えるブロック物質を出し、破骨細胞には、骨
を壊していく、削っていく刺激物質を出しているので、壊れて脆くなったり、穴がふさ
がらなくなりパンチドアウト状態になってしまいます
*骨を強くする薬
・ゾメタ………破骨細胞を抑え、骨髄腫にも良い働きがあるのですが、副作用として
2年間使用していると顎骨壊死が起こることもあります。また、腎臓を
悪くしてしまうこともあります
・ランマーク…ゾメタとは違う働きで、腎臓障害があっても使うことができますが、副
作用としてカルシウムが低下し、痺れが起こったりします
※レブラミドで5~6年治療をしていると骨の病変が起こる率が高いのでゾメタまたはラ
ンマークを併用するのが良いです
※ベルケイド(VMP)で1~2年治療をしていると骨が強くなってきます
※カイプロリス、ニンラーロも骨によく、強くなってきます
*骨の治療
・注射薬…痛みがとれるのに3~4か月の時間がかかります
・抗がん剤
・モルヒネ
・コルセット
・骨セメント注入…2~3日で痛みが軽減され、動けるようになります
⁂骨セメント注入手術(低侵襲経皮的椎体形成術)
整形外科にて行います
圧迫骨折でつぶれた椎体のところにストローのような針を2本刺し、風船を膨らませ
て広げ、そこに骨セメントを注入してつぶれないようにすると椎体の痛みが軽減され
ます。痛みがとれれば早く動けるようになり寝たきりだった人が杖をついて歩けるよ
うにもなったり、抗がん剤も使うことができるようになります。移植対象者も早く移
植ができるようになります。痛みで寝たきりになると肺炎を起こしたり、床ずれにな
ったり、強い治療もできないので早く痛みがなくなるのはとても良いことです。3~4
年で命を落とすことが無くなります
とっておきの新情報、薬の組み合わせについてです
現在 ポマリスト+レナデックスの組み合わせのみが認められ治療が行われていますが
4か月くらいのコントロールで、CR(完全奏効)が得られないことがわかってい
ます
新情報 ポマリスト+レナデックスにエロツマブ(エンプリシティ)を加えたほうが治療
成績が良くCR(完全完解)が得られやすく、CR(完全完解)は10%、VGCRを加え
た半分くらいの人がPR(部分完解)を得られています。12か月くらいのコント
ロールができている人は70%。再再再発の人でも2年くらいコントロールでき
ていますので、3回目の治療で2~3年以上のコントロールができるようになる
かもしれません。今後、エロツマブ、ポマリスト、エムプリシティの3つの薬
の組み合わせで治療ができるようになるかもしれません
最後のお話です
良い治療とは何か、長生きすること?生活の質?
例えばですが、
1回目の治療で VMP 4~5年
2日目 〃 Rd 5~6年
3回目 〃 ダラザレックス 3~4年
4回目 〃 レブラミド+ダラザレックス 6~7年
5回目 〃 ポマリスト+エロツマブ 3年
現在 ダラザレックス+カイプロリス の治験も進行中です
ピークの75歳、移植しなくても例えのように薬の組み合わせで、病気のコント
ロールができるようになり、頑張れるので悲観することなく状況に合わせて治療
の選択をして、元気に長生きしましょう!!
引き続き質問タイムです
質問① 圧迫骨折で痛みがなくても骨セメント治療は必要?
お答え 治療の良い点 姿勢が良くなり身長も伸びる
背中が曲がっていると骨折周りの筋肉をも傷めてしまうことが
あるし、頭痛を起こすことも。また、神経を痛めてしまう(麻
痺)こともあるので、それらを起こさずにすみます
治療の悪い点 骨セメントを注入したところだけが強くなるのでその前後がつ
ぶれやすくチェックが必要になり、痛みがなくても整形外の受
診が必要なこともあります
質問② 治療効果、数値の見方がわかりません
現在ベルケイド+レナデックス治療で効果があり、次はレブラミドを追加して
治療予定なのですが、何を基準にすればいいのでしょうか?
お答え 指針にしてほしいこと
FLCの数値とκ/λ比が正常化しているか、また免疫固定法で正常化しているか、
正常化していたら骨髄穿刺で細胞がどれくらい残っているのか、残っていなけ
ればCR(完全完解)です。なおかつFLCが正常化していればsCRとなります。
すべて正常化していれば、ベルケイドとレブラミドを一緒に使うことが本当に
良いのか検討が必要です。一緒に使うと副作用の痺れが出やすくなりますし、
好中球が減ってきます。また、再発時の選択肢も減ってしまうことになります
レブラミドは主剤で他の薬(ダラザレックス、カイプロリス、ニンラーロ)と
一緒に使うことが多いので主治医とよく相談してください
質問③ 骨量の測定は意味がある?ない?
お答え 骨髄腫は全身がやられているわけではなく、骨量を測る場所によって違いが
あるので、骨量を測るよりもMRIを撮るのが良いのですが、CTで代用できます
解像度がレントゲンよりもよく、小さい病変がわかります。CR(完全完解)の
人は、1~2年後にCT(頭からかかとまで)を撮るといいです。また、PET-CT、
余裕があればアミノ酸PETがより良いです。レントゲンであれば頭(重力のかか
らないところのパンチドアウトの数をみる)と、かかと(体重がかかり強いとこ
ろなので、ここがスカスカだと全身に病変があると考えられる。また、3種類
の骨線の入り具合によってどれくらい悪くなっているのかが専門家が見ればわ
かる)を撮り判断するのが望ましい。治療効果を1年に1度見るのは大切なこと
です被曝は確かにありますが、必要なものは必要な時にきちんと撮ります
以上が、血液内科の先生のお話でした。「その2」でもお伝えしましたが、これは私が聞いたものをまとめたものです。不十分なところが多々あると思います。疑問点等はみなさまの主治医にお尋ねくださいね。治験は現在も進行中、まだまだお薬の組み合わせの新しい治療法は続いていきそうです。年々とどまることなく進んでいる治療で選択肢も増えていっています。自分にとって良い治療を選択できるよう、移植でもお薬の治療でも体力は大事な要素のようです。日々体力をつけるべく美味しいものを食べ、楽しいことを見つけながら心身ともに力が付くように過ごしていかなくては、ですね。元気に長生き!!です。ペンギンクラブのおしゃべり会でも元気の交換をしながらパワーアップしていきましょうね。
私はこの頃、あっちこっちに”あれっ!”と思う不具合を感じ始め””ストレッチ””などにチャレンジしています。伸ばして伸ばして柔らかく!!血の巡りを良くしてすっきりと!!日々コツコツと頑張ります!!
☘☘☘☘チャオ☘☘☘☘
*骨について
症状の一番は骨の痛みです。脆くなっています
骨髄腫細胞は骨の細胞に働き、骨を溶かしていく病気なので骨が痛くなり進行していき
ます。骨芽細胞には、骨を修復するのを抑えるブロック物質を出し、破骨細胞には、骨
を壊していく、削っていく刺激物質を出しているので、壊れて脆くなったり、穴がふさ
がらなくなりパンチドアウト状態になってしまいます
*骨を強くする薬
・ゾメタ………破骨細胞を抑え、骨髄腫にも良い働きがあるのですが、副作用として
2年間使用していると顎骨壊死が起こることもあります。また、腎臓を
悪くしてしまうこともあります
・ランマーク…ゾメタとは違う働きで、腎臓障害があっても使うことができますが、副
作用としてカルシウムが低下し、痺れが起こったりします
※レブラミドで5~6年治療をしていると骨の病変が起こる率が高いのでゾメタまたはラ
ンマークを併用するのが良いです
※ベルケイド(VMP)で1~2年治療をしていると骨が強くなってきます
※カイプロリス、ニンラーロも骨によく、強くなってきます
*骨の治療
・注射薬…痛みがとれるのに3~4か月の時間がかかります
・抗がん剤
・モルヒネ
・コルセット
・骨セメント注入…2~3日で痛みが軽減され、動けるようになります
⁂骨セメント注入手術(低侵襲経皮的椎体形成術)
整形外科にて行います
圧迫骨折でつぶれた椎体のところにストローのような針を2本刺し、風船を膨らませ
て広げ、そこに骨セメントを注入してつぶれないようにすると椎体の痛みが軽減され
ます。痛みがとれれば早く動けるようになり寝たきりだった人が杖をついて歩けるよ
うにもなったり、抗がん剤も使うことができるようになります。移植対象者も早く移
植ができるようになります。痛みで寝たきりになると肺炎を起こしたり、床ずれにな
ったり、強い治療もできないので早く痛みがなくなるのはとても良いことです。3~4
年で命を落とすことが無くなります
とっておきの新情報、薬の組み合わせについてです
現在 ポマリスト+レナデックスの組み合わせのみが認められ治療が行われていますが
4か月くらいのコントロールで、CR(完全奏効)が得られないことがわかってい
ます
新情報 ポマリスト+レナデックスにエロツマブ(エンプリシティ)を加えたほうが治療
成績が良くCR(完全完解)が得られやすく、CR(完全完解)は10%、VGCRを加え
た半分くらいの人がPR(部分完解)を得られています。12か月くらいのコント
ロールができている人は70%。再再再発の人でも2年くらいコントロールでき
ていますので、3回目の治療で2~3年以上のコントロールができるようになる
かもしれません。今後、エロツマブ、ポマリスト、エムプリシティの3つの薬
の組み合わせで治療ができるようになるかもしれません
最後のお話です
良い治療とは何か、長生きすること?生活の質?
例えばですが、
1回目の治療で VMP 4~5年
2日目 〃 Rd 5~6年
3回目 〃 ダラザレックス 3~4年
4回目 〃 レブラミド+ダラザレックス 6~7年
5回目 〃 ポマリスト+エロツマブ 3年
現在 ダラザレックス+カイプロリス の治験も進行中です
ピークの75歳、移植しなくても例えのように薬の組み合わせで、病気のコント
ロールができるようになり、頑張れるので悲観することなく状況に合わせて治療
の選択をして、元気に長生きしましょう!!
引き続き質問タイムです
質問① 圧迫骨折で痛みがなくても骨セメント治療は必要?
お答え 治療の良い点 姿勢が良くなり身長も伸びる
背中が曲がっていると骨折周りの筋肉をも傷めてしまうことが
あるし、頭痛を起こすことも。また、神経を痛めてしまう(麻
痺)こともあるので、それらを起こさずにすみます
治療の悪い点 骨セメントを注入したところだけが強くなるのでその前後がつ
ぶれやすくチェックが必要になり、痛みがなくても整形外の受
診が必要なこともあります
質問② 治療効果、数値の見方がわかりません
現在ベルケイド+レナデックス治療で効果があり、次はレブラミドを追加して
治療予定なのですが、何を基準にすればいいのでしょうか?
お答え 指針にしてほしいこと
FLCの数値とκ/λ比が正常化しているか、また免疫固定法で正常化しているか、
正常化していたら骨髄穿刺で細胞がどれくらい残っているのか、残っていなけ
ればCR(完全完解)です。なおかつFLCが正常化していればsCRとなります。
すべて正常化していれば、ベルケイドとレブラミドを一緒に使うことが本当に
良いのか検討が必要です。一緒に使うと副作用の痺れが出やすくなりますし、
好中球が減ってきます。また、再発時の選択肢も減ってしまうことになります
レブラミドは主剤で他の薬(ダラザレックス、カイプロリス、ニンラーロ)と
一緒に使うことが多いので主治医とよく相談してください
質問③ 骨量の測定は意味がある?ない?
お答え 骨髄腫は全身がやられているわけではなく、骨量を測る場所によって違いが
あるので、骨量を測るよりもMRIを撮るのが良いのですが、CTで代用できます
解像度がレントゲンよりもよく、小さい病変がわかります。CR(完全完解)の
人は、1~2年後にCT(頭からかかとまで)を撮るといいです。また、PET-CT、
余裕があればアミノ酸PETがより良いです。レントゲンであれば頭(重力のかか
らないところのパンチドアウトの数をみる)と、かかと(体重がかかり強いとこ
ろなので、ここがスカスカだと全身に病変があると考えられる。また、3種類
の骨線の入り具合によってどれくらい悪くなっているのかが専門家が見ればわ
かる)を撮り判断するのが望ましい。治療効果を1年に1度見るのは大切なこと
です被曝は確かにありますが、必要なものは必要な時にきちんと撮ります
以上が、血液内科の先生のお話でした。「その2」でもお伝えしましたが、これは私が聞いたものをまとめたものです。不十分なところが多々あると思います。疑問点等はみなさまの主治医にお尋ねくださいね。治験は現在も進行中、まだまだお薬の組み合わせの新しい治療法は続いていきそうです。年々とどまることなく進んでいる治療で選択肢も増えていっています。自分にとって良い治療を選択できるよう、移植でもお薬の治療でも体力は大事な要素のようです。日々体力をつけるべく美味しいものを食べ、楽しいことを見つけながら心身ともに力が付くように過ごしていかなくては、ですね。元気に長生き!!です。ペンギンクラブのおしゃべり会でも元気の交換をしながらパワーアップしていきましょうね。
私はこの頃、あっちこっちに”あれっ!”と思う不具合を感じ始め””ストレッチ””などにチャレンジしています。伸ばして伸ばして柔らかく!!血の巡りを良くしてすっきりと!!日々コツコツと頑張ります!!
☘☘☘☘チャオ☘☘☘☘